ラヴっぽい
『じゃ、結婚なんて全く考えなくてもいいから付き合おうよ。』
『なら、どうして付き合うの?』
『だって、好きだし、ラヴっぽいのが欲しいじゃん。私のこと嫌いなの?』
少しの沈黙の後に『そうだね。そうしよっか。』って彼が言った。
そこからブラックアウト。
こんなにストレートに物事を言ったのは、20代になって初。
きれいな海の近くに住んで、洗い立ての真っ白なタンクトップに、ゆるいデニム、ABCで買った安いビーチサンダルを履いて、照りつける太陽をものともせずに、トマトカレーの材料がぎっしり詰まったスーパーの袋を両手に下げて、鼻歌歌いながら海辺を歩きたい。